オーナー社長が認知症になると会社の重要な決定ができない

こんにちは。

行政書士あんしん法務事務所の荒川です。

皆さんは「後見」という制度をご存知でしょうか? 成年後見制度(法定後見)の改正について現在議論が進んでいますが、後見にはもう一つ任意後見というものも存在します。

任意後見契約とは、認知症や障害の場合に備えて、あらかじめご本人自らが選んだ人(任意後見人)に、代わりにしてもらいたいことを契約(任意後見契約)で決めておく制度です。

任意後見契約は一人暮らしのお年寄りのためのものと考えられているケースが多いと思います。 自社の株式を100%持っている中小企業の社長(株主)がいらしたとします。この会社経営者が認知症で判断能力が低下した場合、会社経営にどんな支障が出るでしょうか?

オーナー社長のリスク

中小企業の社長は通常自社の大株主です。

社長は日々忙しく出張も多いので、年齢による認知症以外にも脳卒中や交通事故等で突然判断能力を無くすリスクがあります。判断能力を喪失すると、有効な議決権の行使ができなくなります。

株主総会の招集ができない。株主総会の開催もできない。後継者の選任もできない等会社は何も決められない状態に陥ります。社長が亡くなれば、株を相続した人が議決権の行使をすることができますが、生きている間は社長が所有している株を誰も勝手に奪うことはできません。

社長自身のリスクヘッジ

判断能力が低下する前に会社経営者が後継者と任意後見契約を結んでおけば、会社経営者の判断能力が低下した際にほぼ確実に、後継者を任意後見人にすることができます。任意後見契約を結んだ際に、株式の議決権行使についても任意後見人に代理権を与えるようにしておけば、任意後見人となった後継者が株式の議決権行使を行えます。

任意後見契約を締結しておらず法定後見の制度が適用され、社長が成年被後見人又は被保佐人となった場合、取締役の資格も喪失し退任しなければならないことになります。

社長がお元気な時に、専門家にご相談していただければと思います。

相続のご相談なら行政書士あんしん法務事務所

お気軽にお問合せください
TEL : 0288-25-7691

栃木県日光市を拠点に相続分野に特化して活動している行政書士です。数多くのご相談経験から、相続は時間との勝負だと感じています。お悩みやご不安があれば初回のご相談は無料ですので、お気軽に私までご相談ください!