こんにちは。
行政書士あんしん法務事務所の荒川です。
近年「相続財産」の分け方[遺産分割]において相続人間で揉め事になるケースが増加しています。実際に遺産分割がまとまらない場合は どのように対処されていくのでしょうか? 詳しく見ていきましょう。
相続人間の話し合いがまとまらない場合
【遺産分割調停 】
裁判所において、各当事者から調停員が事情を聴き、各当事者がそれぞれどのような分割方法を希望しているか意向を聴取し、解決のために必要な助言をし、合意を目指し話合いが進められる手続です。
【遺産分割審判 】
話合いがまとまらず調停が不成立になった場合は、審判手続が開始され,裁判官が、相続財産の種類及び性質その他一切の事情を考慮して,遺産分割の内容について審判をする手続です。
※調停~審判は、2年~8年の期間かかるそうです。
相続人がいくら仲良い兄弟姉妹でも、財産の承継が絡むと人が変わったようになり、そこで《争族》が生じる可能性が高くなります。
実際に話し合いがこじれてしまうと上記のように時間も心理的リソースも大きく割かなければなりません。しかし、【遺言書】を作成することにより、被相続人(亡くなられ方)の相続財産の分け方の意向がわかりますので、揉め事を少しでも減らす事ができると思います。
相続紛争は資産家だけの問題ではない?
一般的なイメージからすると、相続紛争は資産家だから起こるとおもわれますが、決して他人事ではないように思います。
むしろ財産が少ない方が揉める傾向があります。
資産5000万円以下の割合が約7割うち資産1000万円以下は約3割となっています。
資産家ほど生前にしっかり相続対策を行っていると思われます。
相続紛争はわりと身近にある問題だと気付けさせられます。
やはり、生前の「備え」を今一度、考えてみる必要があるのではないでしょうか!
口約束では財産を引き継げない?
財産を引き継ぐには、原則的に口約束ではできません。書面を作成する必要があります。 (例外として死因贈与契約の場合は、お互いの合意(口約束)だけで財産を引き継ぐことが可能です。 しかし、書面がなければその事実の証明ができないので現実的ではありません。
遺言の場合は必ず書面で作成しなければなりません。 民法による厳格な方式が求められており、不備があると遺言書自体が無効になってしまいます。
例えば、自筆証書遺言は、全文、日付、氏名を自書し、ご本人の押印が必要です。 パソコンで作成したり、日付が抜けていたなどで、せっかく作成した遺言が無効になり、ご自身の最終意思が実現されなくなります。
間違いのない遺言書を作成するには、公証役場での作成をお勧めします。 公正証書遺言は、遺言作成時に公証人が関与するため、ほぼ間違いのない遺言書が完成します。
仮に自筆証書で作成する場合でも、作成の際には専門家にご相談されることをお勧めします。
遺言書の作成はお元気なうちに!
遺言作成時に認知症等で判断能力が低下している場合は、原則的に遺言書の作成はできません。
自筆証書遺言の場合、そもそもご本人が自筆で書けるかどうかが問題です。自筆で書けなければ、自筆証書遺言は作成できません。
公正証書遺言の場合、ご自分の意思を公証人に伝えることができるかどうかが問題です。 ご自分の意思を公証人に伝えることができなければ公正証書遺言は作成できません。
ちなみに公証人は遺言を作成する際に遺言者の方のご意思の確認をしっかりと行います。
遺言はお元気な時、ご自身の意思をしっかりと表明できるときに作成してください。
後日、気が変わった場合でも遺言書の内容変更は可能です。
遺言書作成のメリット
遺言書を作成することのメリット!
・遺言者の最終意思を伝えることができる。「争族」の予防になる。
・相続人が遺産の分け方で悩む必要がなくなる。
・遺産分割協議が不要なため、相続手続が煩雑にならない。
・相続人以外の第三者(お孫さん・お世話になった方)にも遺産を引き継ぐことができる。
遺言書を残しているかいないかで、相続発生後の流れは大きく変わってきます。
遺言書があることで、遺産分割協議は不要となり、相続人は相続財産の分け方で悩む必要がなくなります。
そして、相続人は、被相続人の最終意思をしっかりと尊重しようとしてくれるのではないでしょうか。
遺言書を作成することで、残された相続人は救われます。
あなたの想いを後世に承継する事ができます。
遺言書の作成をお勧めします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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